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ときどき英語 / ときどき日本語 / 日記

ただただ腹立たしい

うまいタイトルが思いつかなかった。


今日、うちに東京都児童相談所の人間がやってきた。
近所の誰かが、うちの娘の泣き声を聞いて通報したらしい。


…あそこのうちで、赤ん坊が泣いている…


なんてばかげた話だ。


先週、夜になっても気温が下がらず、湿度は高く、寝苦しい夜が続いた。
我が家には8ヶ月と4歳の子どもふたりがいる。
クーラーはできるだけ使いたくない。
とはいえ、扇風機だけではさすがに先週はきつかった。
二階の寝室の窓を少し開けて、風を入れながら、寝た。


生後8ヶ月。


経験のある方はおわかりだろうが、夜寝たら朝までぐっすり、なんてことはあるわけがない。
おなかがすいておっぱいがほしければ、泣いて起きる。
暑くて、汗をかいて、寝苦しければ泣いて起きる。
おむつがよごれれば不快。泣いて起きる。
泣き声をあげずに起きる、なんてのはまれで、たいていオギャーだのうぎゃーだの、ピーだのがーだのいって母親の注意をひこうとする。


いたって普通の、健康な赤ん坊の生態だ。


そんな彼女の声が、じっとりとしめった夜の空気を伝わって、どこかのお節介の耳に入ったらしい。


ここ最近、子どもたちをめぐる事件が続いたのは、皆が知るところだ。
ワイドショー、ニュース、新聞では凄惨な実態を丹念に振り返る。


周囲が早く気づいていれば、最悪の事態は避けられたはず。
行政の対応が遅かった。
子どもの泣き声がひどかったから、役所に電話した。


事件の事実に加えて、こんな周辺住民の声もとりあげる。
そんな世間の空気が彼/彼女を後押ししたのかどうかは、本人に聞いてみないとわからないが、
「あそこ大丈夫か?」と勘ぐった、ご心配くださった方がいたということだ。


ご心配なく。
娘はいたって元気。
あなたが心配されているようなことは一切ありません。


児童相談所側も、通報があったかぎり、その事実関係を確かめなければならないのだろう。
二人の職員がやってきたらしい。
(私は仕事に出ていて不在)
妻が玄関先で対応した。


離乳食が順調に進み、兄に似て食欲旺盛。
どちらかといえばおとなしいと周囲に言われる。
マイペースでのんびりと遊び、午前中はほとんど寝ている。
午後、兄が保育園から帰ってくれば、遊んでもらって、きゃっきゃと笑う。
遊びつかれて、夕方にまた眠る。


正直息子の時より、家の中はよっぽど静かだ。


あの声を聞いて虐待だの、ネグレクトだのを連想されるのなら、世の母親たちのほとんどは疑いの目でみられてしまうだろう。


妻は、やってきた相談所の職員に言ったらしい。


「ものすごくショックです。いったい(この気持ちを)どうすればいいんですか?」


職員たちは、謝って帰っていった。
まあ、謝るしかないだろうな。
娘の顔を見て「…おとなしそうですね」と言ったらしい。
ああもう。
逆にこの人たちが気の毒になる。




当分の間、寝室の窓は閉ざされたままになるだろう。
幸い、今晩は幾分涼しい。